JAMSTEC Report of Research and Development
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原著論文
ベクトル型計算機によるPIC (Particle-In-Cell) 法速度モーメント計算の計算速度比較
~作業配列法・RETRY法・LISTVEC指示行法~
杉山 徹
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2011 年 12 巻 p. 13-25

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抄録
粒子シミュレーション手法の1つであるPIC (Particle-In-Cell) 法モデルにおいて, 粒子の速度モーメントをベクトル型計算機上で計算するためには, いくつかの工夫が必要である. その中で, 広く使われている3つの手法 (作業配列法・RETRY法・LISTVEC指示行法) による計算速度を比較した結果を報告する. 計測には空間2次元システムを用いた. 作業配列法・RETRY法の計算速度は同程度であるが, LISTVEC指示行法はそれらより約1.5倍遅い. 一方, 使用する主メモリ量は, RETRY法・LISTVEC指示行法は同程度であるが, 作業配列法は, それらより数倍多く, 扱えるシステムサイズを小さくしてしまう. プログラミングの容易さでは, LISTVEC指示行法は非常に容易であり, 次に作業配列法である. RETRY法はプログラム作成までの作業量が他の2つに比べて多い. 結果, 本報告では, プログラミングは容易ではないが, 計算効率を全体的に判断し, RETRY法の使用を推薦する.
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© 2011 独立行政法人海洋研究開発機構
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