JAMSTEC Report of Research and Development
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報告
地震動波形から推定したDONET地震計の方位
中野 優利根川 貴志金田 義行
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2012 年 15 巻 p. 77-89

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抄録
DONETは来るべき東南海地震の想定震源域直上である紀伊半島沖, 熊野灘の深海底に展開された観測ネットワークである. DONETは20観測点で構成され, 各観測点には地震計と水圧計が設置されている. 地震計は一般に水平動2成分が東西および南北に向くように設置されるが, 深海底で地震計を正確に意図した方位に設置することは現在の技術では困難である. 地震計の方位は設置時に無人探査機 (ROV) のカメラ映像から測定されたが, 追試が困難であるため, 異なる方法によって検証する必要がある. 本報告では, 波形記録を用いて地震計方位を推定した結果について述べる. 用いた手法は, 地震動記録の陸上観測との相関, 遠地地震のP波初動の振動方位, そしてエアガンによる振動の粒子軌跡の三種類である. 得られた地震計の方位は全ての方法でよく一致した. ROVのカメラ映像から得られた方位との違いは概ね10度程度であったが, 観測点によっては最大50度近いずれが見られた.
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© 2012 独立行政法人海洋研究開発機構
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