2021 年 77 巻 2 号 p. I_919-I_924
本研究では,新潟県青山海岸において,離岸堤付近における現地調査と海浜変形の数値計算を実施した.現地調査は,空中写真測量を9月中旬と11月下旬に行い,DEM(陸域データ)を取得した.また,9月の調査では,ソナーを用いた深浅測量を実施した.陸域のデータから,離岸堤背後の陸域は一部で若干の堆積が見られたが,全体的に侵食傾向だった.次に,数値計算モデルXBeachを用いて離岸堤付近の海浜変形を引き起こした外力を評価した.Surfbeatモードを用いた場合と比較すると,Non-hydrostaticモードを用いた数値計算結果は,全体的に海浜が侵食傾向にあるものの,離岸堤背後の水面下では堆積傾向にあり,空間的にみると調査結果と符合していた.また,10月後半から11月前半において断続的に発生した高波浪により,離岸堤付近において海浜変形が発生していたことが示唆された.