抄録
GEOMILL326は, 化石や岩石試料の顕微鏡レベルでのサンプリング方法である実体顕微鏡下での手作業, ミクロトームや旋盤では困難であった1/l000mm単位の正確な切削によるサンプリング技術を実現した. 本技術は, 主にサンゴ, 貝, 鍾乳石などの炭酸塩に認められるマイクロメートル単位の成長線に沿った安定同位体比分析に有効であるが, 単結晶ダイヤモンドドリルビットを用いることにより金属の切削加工も可能である. また, 切削により得られる微量の粉末状サンプル (~数十μg) の回収方法が問題であったが, 高い回収率で所定の化学分析用容器に粉末状サンプルを回収する方法を開発した. 今後, GEOMILL326は微量粉体回収装置とともに高いニーズが期待される.