JAMSTEC Report of Research and Development
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掘削試料の非定常細線加熱法による熱伝導率測定の高精度化に向けた実験
多田井 修林 為人谷川 亘廣瀬 丈洋坂口 真澄
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2009 年 9 巻 2 号 p. 2_1-2_14

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抄録
掘削試料 (コアおよびカッティングス) の熱伝導率の測定手法を確立するために, 本研究ではインド産の砂岩とカオリン粉体試料を使用して, 非定常細線加熱法 (熱線法) に基づいたQTM (Quick Thermal conductivity Meter) よる熱伝導率の測定を行なった. 実験の結果, 掘削によって採取される多くの岩石や堆積物の熱伝導率測定に必要な試料サイズは, 熱線長が95mmのボックス型プローブの場合には, 長さ100mm, 幅40mm, 厚さ20mm以上であることがわかった. よって,掘削試料を測定する場合, 直径40mm以上の半割コア試料が必要になる. また, ニードル型プローブを用いたカオリン粉体試料の実験では, 圧密した試料の密度と熱伝導率の正の相関関係が認められ, 断層粘土やカッティングスなどの少量の掘削試料でも容器内に詰めて圧密させるなどの工夫を施すことで, 将来的に熱伝導率測定ができると思われる.
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© 2009 独立行政法人海洋研究開発機構
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