JAMSTEC Report of Research and Development
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9 巻, 2 号
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報告
  • 多田井 修, 林 為人, 谷川 亘, 廣瀬 丈洋, 坂口 真澄
    2009 年 9 巻 2 号 p. 2_1-2_14
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル フリー
    掘削試料 (コアおよびカッティングス) の熱伝導率の測定手法を確立するために, 本研究ではインド産の砂岩とカオリン粉体試料を使用して, 非定常細線加熱法 (熱線法) に基づいたQTM (Quick Thermal conductivity Meter) よる熱伝導率の測定を行なった. 実験の結果, 掘削によって採取される多くの岩石や堆積物の熱伝導率測定に必要な試料サイズは, 熱線長が95mmのボックス型プローブの場合には, 長さ100mm, 幅40mm, 厚さ20mm以上であることがわかった. よって,掘削試料を測定する場合, 直径40mm以上の半割コア試料が必要になる. また, ニードル型プローブを用いたカオリン粉体試料の実験では, 圧密した試料の密度と熱伝導率の正の相関関係が認められ, 断層粘土やカッティングスなどの少量の掘削試料でも容器内に詰めて圧密させるなどの工夫を施すことで, 将来的に熱伝導率測定ができると思われる.
  • Tetsuro Hirono, Weiren Lin, En-Chao Yeh, Wonn Soh, Masafumi Murayama, ...
    2009 年 9 巻 2 号 p. 2_15-2_22
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル フリー
    To evaluate the porosity profile within the Chelungpu Fault, which slipped during the 1999 Taiwan Chi-Chi Earthquake, we performed X-ray computed tomography imaging of core samples from Hole B of the Taiwan Chelungpu Fault Drilling Project. We established the relationship between the degree of X-ray attenuation and wet bulk density and obtained a porosity profile through the major fault zone at 1,136 m depth. The shear zones within the fault zone generally showed high porosity, and the porosity of the shear in the black gouge zone, which previous research suggests was the slip plane for the 1999 earthquake, was deduced to be 33.0%. This high porosity might indicate dilative shear deformation during the earthquake.
特集
第I期(2004年-2008年度)中期計画の成果について
総説
  • 掘越 弘毅, 極限環境生物展開研究プログラム・深海バイオ事業化 推進計画および地殻内微生物研究プログラム研究員一同
    2009 年 9 巻 2 号 p. 2_25-2_42
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル フリー
    極限環境生物圏研究センターでは, この5年間, 海洋の多様な生物や生態系が持つ特殊・固有な機能を把握すると共に, その産業応用等により, 社会や経済の発展に資することを目的として研究を行ってきた. その結果, JAMSTECならではの独創性の高い, インパクトのある, 世界的に優れた成果を挙げてきた. また, 民間企業との共同研究により, 有用酵素の産業応用等, 社会に役立つ研究開発も進めている. ここでは, 同センター・極限環境生物展開研究プログラム・深海バイオ事業化推進計画および地殻内微生物研究プログラムにおける, この中期計画5年間に得られた数多くの研究成果の中から, いくつかのトピックを紹介する. なお, これらの研究成果の詳細及びそれ以外の研究成果については, 平成21年3月刊行の「極限環境生物圏研究・研究報告書」を参照していただきたい. また, 同センター・海洋生態・環境研究プログラムの研究成果の概要報告は, 別論文として本誌9巻1号に報告している.
  • Yoshio Fukao, Shuichi Kodaira, Masataka Kinoshita, Yoshiyuki Tatsumi, ...
    2009 年 9 巻 2 号 p. 2_43-2_94
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル フリー
    The Institute for Research on Earth Evolution (IFREE) consists of five programs. During this five-year period, each program has pursued its own research targets, but at the same time each has made a considerable effort to work with other programs on subjects otherwise not easily approached. By selecting eight such subjects, we review our work in the 2004-2008 period.
  • 東 垣
    2009 年 9 巻 2 号 p. 2_95-2_104
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル フリー
    1999年に生じた台湾集集 (チチ) 地震 (Mw.7.6) で地震すべりを起こしたチェルンプ断層は, 同じ地震で変位したにもかかわらず, その北半部とそれ以外の部分で観測された地震すべりの挙動 (変位量や変位速度) が大きく異なっていた. この原因として, Ma et al. (2003) は地震波の特徴から北部では地震すべりを起こした断層面の摩擦強度が著しく低下したとし, その摩擦強度の低下の原因を断層ガウジの粘性流潤滑化説で説明しようとした. その後, この考えを検証する目的もあって, チェルンプ断層北部において深度2000mの地震断層面を貫き, 断層面周辺の孔内計測及びコア試料を用いた物質科学的な検討が行われた (台湾チェルンプ断層掘削計画 : TCDP). 本論では, この掘削計画のなかでも物質科学的検討結果によって得られた研究成果について概略し, その結果を基に, Ma et al. (2003) で提案された説とは異なり, thermal pressurization説が最も観察事実をよく説明するとし, なぜthermal pressurizationが生じたのかその成因について考察を行なった.
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