医学検査
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技術論文
病理臓器検体における新たな患者認証法(バノックガン患者認証法)
久場 樹山下 和也町田 大輔横澤 正志三上 哲夫吉田 功三枝 信
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2014 年 63 巻 6 号 p. 753-757

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抄録

医療における患者の取り違いや誤認は,重大な事故につながる原因の一つである.病理組織検査では,固定後の水洗や臓器写真撮影,切出し作業において,標識物と臓器は離別され,検体取り違いや登録番号の誤認,写真や記録の取り違いなどのインシデント発生要因のひとつである.臓器と患者情報の誤認という重大なインシデント要因を排除する目的で,臓器と患者情報タグを直接つける方法「バノックガン患者認証法」を考案した.その手法で,手術材料42症例について試行した結果,手術摘出後から病理切り出し作業時の患者(臓器)認証が容易で,標識率,認証率ともに100%であった.操作性は簡便で,バーコード読み取りなど電子化との連携も容易である.針は脱着可能で洗浄が出来る構造なので,感染症にも対応する.「ピン」貫通箇所の組織障害は,従来品と同等で診断上特に問題はない.今後,医療安全対策における病理検体の患者認証法として普及が望まれる.

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© 2014 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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