抄録
B型肝炎ウイルスのgenotypeは治療方針を決定するうえで重要な因子である.本邦においてはEIA法を用いたgenotypeの決定が行われている.今回,我々はtype-specific PCRを用いた新しい分類方法を考案した.合計84例の検体(EIA法によるgenotype,genotype A:8例,genotype B:11例,genotype C:60例,genotype D:1例,判定不能:4例)を新しい方法で解析を行った.84検体のうち82例(97.6%),genotype A:8例,genotype B:13例,genotype C:60例,genotype D:1例について解析が可能であった.また,subgenotype Aa/Ae,Bj/Baについてもtetra-primer ARMS-PCRを用いて解析が可能であった.今回考案した新しい方法を用いHBV genotypeおよびsubgenotypeを分類することは臨床的有用性が高く,診療支援に貢献できる.