医学検査
Online ISSN : 2188-5346
Print ISSN : 0915-8669
ISSN-L : 0915-8669
技術論文
アレルギー特異IgE測定装置DiaPack3000の基礎的検討
山本 美由紀脇田 満石井 清堀井 隆三宅 一徳大坂 顯通
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 64 巻 1 号 p. 66-71

詳細
抄録

原因アレルゲンの同定は,アレルギー疾患の診断,治療およびアレルゲンの回避において重要である。この度,その同定装置であるEIA法を原理としたアレルギー特異IgE測定装置DiaPack2000(日本ケミファ株式会社)の後継機として,1時間あたりの最大テスト数が増加し,測定時間が約4分短縮され,随時検体測定が可能となったDiaPack3000が開発されたため,基礎的性能を検討した。比較装置としてDiaPack2000とFEIA法を原理とした免疫蛍光測定装置ファディア5000(ファディア株式会社)を用いて検討を行った。再現性,最小検出感度においてDiaPack3000で向上が認められた。DiaPack2000との相関は,6項目において相関係数r = 0.882~0.999以上であり,ファディア5000との一致率は,6項目において80.7%~91.9%以上と良好な結果が得られた。直線性は100 IU/mLまで確認でき,キャリーオーバーも認められなかった。基礎的検討において良好な結果が得られたDiaPack3000は,操作性の向上,測定時間の短縮により診療前の迅速検査への対応が可能となり,即日の治療方針の決定や迅速な治療の開始に貢献できる装置と考えられる。

著者関連情報
© 2015 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
前の記事 次の記事
feedback
Top