医学検査
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技術論文
血液ガス分析装置ラピッドポイント500の性能評価
古川 聡子河口 勝憲加瀬野 節子岡本 操佐藤 正一佐々木 環通山 薫
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2015 年 64 巻 1 号 p. 78-84

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抄録

メンテナンスフリーカートリッジを使用した血液ガス分析装置ラピッドポイント500(RP500)の導入を目的に,その基本性能の評価を行った。検討項目はpH,pCO2,pO2,tHb,Na+,K+,Cl,Ca2+,血中グルコース(Glu),乳酸(Lac)の10項目とした。対照機器は血液ガス分析装置ラピッドラボ1265(RL1265),さらにNa+,K+,Cl,Gluについては生化学分析装置LABOSPECT 008(LAB),LacはDimension(Dim)を使用した。併行精度・室内精度は良好であったが,Lac測定値がカートリッジ装着時より徐々に上昇する傾向を認めた。RL1265との相関および血漿検体を用いたLABやDimの相関ともに良好な結果であった。RP500のメンテナンスはカートリッジ交換(洗浄カートリッジ:10日,試薬カートリッジ:28日)のみとなっており,従来機器に比べメンテナンス作業が非常に軽減される。さらに全自動精度管理(AQC)カートリッジや血液ガス分析装置データマネージメントシステムRAPIDCommを使用することにより,ICU,救命救急センターや病棟などに設置している血液ガス分析装置をネットワークで一元管理することが可能となる。RAPIDCommの端末上から遠隔操作で各装置のモニタリングやトラブル対応も行えるため,検査技師の機器管理時間の削減につながり,省力化・効率化に貢献できると思われる。

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© 2014 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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