医学検査
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アルシアンブルー染色は胃底腺の腺頚部粘液細胞の鑑別に有用である
原田 沙緒李真栄田 由利子安彦 由喜恵竹内 雅也宇野 英二遠藤 高夫辻 直樹
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2015 年 64 巻 3 号 p. 356-360

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抄録
近年,幽門腺の腺腫に異形成や癌を伴う頻度が高いことが報告され,特に幽門腺と胃底腺の鑑別が必要になってきた。抗MUC抗体は,幽門腺のマーカーとして使用されている。しかし,抗MUC抗体は,幽門腺に特異的ではなく,ヒト十二指腸ブルンナー腺や腺頚部粘液細胞にも反応する。そこで我々は,アルシアンブルー染色を用いて,胃底腺,幽門腺,十二指腸ブルンナー腺の染色性を比較した。その結果,アルシアンブルー染色は胃底腺の腺頚部粘液細胞ムチンが染色されるが,幽門腺や十二指腸ブルンナー腺は染色されなかった。本稿では,アルシアンブルー染色が胃底腺の腺頚部粘液細胞の鑑別に有用であることを報告する。
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© 2015 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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