医学検査
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技術論文
全血または血漿中の心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)迅速定量試薬「ラピッドチップ®H-FABP」の基礎的検討
中島 昌哉佐草 貴清岡村 邦彦片野 武司佐々木 泰信荒井 政和堀内 啓
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2015 年 64 巻 6 号 p. 705-712

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抄録
心臓由来脂肪酸結合蛋白(heart-type fatty acid-binding protein; H-FABP)は,急性冠症候群の診断において超急性期心筋マーカーとして用いられている。今回我々は,積水メディカル株式会社より新たに開発されたH-FABP定量試薬「ラピッドチップ®H-FABP」の基礎的検討を行った。本試薬の性能確認を行うため,精密度,測定範囲,妨害物質,プロゾーン現象を検討した。更に本キットと他の市販キットとの比較を行った。その結果,新たに開発されたポイントオブケアテスティング(POCT)キット「ラピッドチップ®H-FABP」は,検査室でのルーチン検査において精密度は良好であり,簡便な手法であると考える。また,緊急検査や在宅診療時,災害時における心筋梗塞の診断・治療においても活躍が期待される。
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© 2015 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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