入院患者において始業時までに血液検査結果が報告されていることは,患者の病態把握,診断・治療の迅速化をもたらし,医療の質の改善につながる。2013年4月,入院患者の血液検査結果を始業時までに報告する目的で,臨床検査技師が午前7時30分から病棟に出向いて検体を回収し,これを直ちに測定するようにした。この結果,入院至急検体の約8割が午前9時までに報告できるようになった。また,提出検体数のピークが分散化され,提出検体数の多い時間帯(午前8時30分から9時30分)の外来検体のturn around time(TAT)も短縮した。この体制整備から30カ月経過した現在,午前8時までに採血される検体数が増加し,入院検体の9時までの報告率,外来検体のTATはさらに向上している。