医学検査
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当院の透析室における臨床検査技師の業務改善について
坂出 佳代井上 美和川村 昌子小川 美津代北村 理恵片岡 友和高橋 奈津子中脇 里美
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2017 年 66 巻 5 号 p. 595-599

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抄録

当院は透析ベッドが207床あり,510名前後の透析患者を治療している。臨床検査技師1名が透析室専属で勤務している。2011年に月4回の定期血液生化学検査が2回に変更になったのを機会に,透析室での心電図検査,頸動脈エコー図検査の実施件数増加と業務の効率化を図るため,業務内容の見直しに取り組み,改善を試みた。取り組みは1)介助の必要な患者の心電図検査を透析室ベッドサイドで実施,2)頸動脈エコー図検査も,エコー室以外で実施,3)糖尿病患者における血糖自己測定(以下,SMBG)の手技を定期的にチェック,4)透析室スタッフに対して検査手引書を作成し,採血管などに関する勉強会を実施の4点である。2013年から取り組み2015年末には心電図検査は効率的に,頸動脈エコー図検査はほぼ全例に施行でき,SMBGの指導も増え,透析室スタッフの検査に対する知識も向上した。2016年に施行したアンケート調査の結果で,透析室に臨床検査技師が常駐することは有意義であり,透析室の臨床検査技師とスタッフの業務が有効に効率化されたことが確認された。

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© 2017 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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