2017 年 66 巻 6 号 p. 642-648
C型肝炎のDAA投与前後でM2BPGiが低下し,その現象は肝硬変症例や肝移植後の症例でも同様であった。M2BPGiの減少率はSVR12時点で45.6%であり,ALT,AST,AFPと同等であった。治療前後でM2BPGiの2.00 COI以上の比率が,50.1%から26.2%に低下し,M2BPGiの2.00 COI以上に関連する因子が,治療前はAST,FIB-4,ALT,AFPの順であったが,治療後には,FIB4,ALB,PLTの順に変化していた。M2BPGiは治療前は炎症の影響を受けるが,治療後は炎症よりも線維化の影響を反映しているものと考えられた。