2018 年 67 巻 5 号 p. 687-693
生化学自動分析装置の導入時には,ユーザーにおいても実施可能な性能確認試験を行うことが重要である。今回,日立自動分析装置LABOSPECT 008αを導入するにあたり,基礎性能確認試験を行った。試料分注量の精密性,正確性,試料プローブ,試薬プローブのキャリーオーバーおよび反応セルのコンタミネーション試験結果は,いずれもメーカー推奨基準を満たしていることが確認できた。大型自動分析装置であるLABOSPECT 008αの導入は,多検体・多項目の迅速で精確な測定値の報告につながり,日常検査に有用であると考えられた。また,ユーザーが性能確認試験を行うことで,装置の測定原理・特性の理解を深めることができ,装置の保守管理,装置に起因した異常データの解析に役立つと考えられた。