医学検査
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健常者における尋常性痤瘡に関与するCutibacterium acnesの検出状況および疫学的調査
天野 宏敏原澤 彩貴眞野 容子細井 淳裕古谷 信彦藤谷 克己
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2019 年 68 巻 2 号 p. 339-346

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Abstract

尋常性痤瘡(ニキビ)は,90%以上の人が経験する一般的な疾患であり,角化異常および皮脂分泌の亢進などにより,Cutibacterium acnesC. acnes)が増殖した結果,引き起こされる慢性炎症性疾患である。外見へ影響があるため,感情面での生活の質(QOL)への影響が大きい。本研究では,健常人におけるニキビ治療の実態把握やC. acnesの年代別保有状況を疫学的に調査,分析を行うことを目的とした。10代19名,20代20名,30代20名,40代20名の計79名を対象に,検体採取を行った後に,質問表式調査法による調査を行った。両頬におけるC. acnesの検出率は全体で82.3%であった。また検出率における年代および性別間では差が認められず,年代・性別を問わずC. acnesを保有していた。ニキビに対する対処法として,全体では洗顔をするが50.0%と最も多かったが,何もしないが16.4%であった。発症時期(自覚した時)は10代に最も多く認められた。治療を始めた理由として全体では,ニキビ痕が残ることが心配になった,人からの目が気になった,の2つが多く半分以上を占めていた。ニキビに関して,全体ではとくに関心をもっていないが最も多く,特に30代と40代で顕著であった。

Translated Abstract

Acne vulgaris (acne) is a common disease experienced by more than 90% of people and is a chronic inflammatory disease caused by the proliferation of Cutibacterium acnes (C. acnes) due to hyperkeratotic abnormalities and increased sebum secretion. In terms of one’s aesthetics, it has a large psychological effect on the quality of life (QOL). In this research, we aimed to grasp the actual condition of acne treatment in healthy people and epidemiologically investigate and analyze the age-based occurrence of C. acnes. A total of 79 subjects, including 19 teenagers, 20 in their twenties, 20 in their thirties, and 20 in their forties, were sampled and then asked to answer a questionnaire survey. The detection rate of C. acnes in both cheeks was 82.3% of all the subjects. There was no significant difference in the detection rate in terms of age and gender, and C. acnes was detected regardless of age and gender. As for the acne treatment, facial washing was carried out by as many as 50% of the subjects, but 16.4% did not do anything. Medicines prescribed by doctors and drugs purchased at pharmacies were mainly topical agents such as ointments (Clearasil®︎, PAIR®︎). The onset time (awareness) was most frequently observed in their teenage years. As reasons for starting the treatment, they felt worried about the scars of acne (30.2%) and they were self-conscious about how they appear to others (27.9%). Regarding acne prevention and treatment, those in their thirties and forties were more knowledgeable than those in their twenties and teens.

I  目的

Cutibacterium acnesC. acnes)はグラム陽性嫌気性桿菌であり1),皮膚常在細菌叢を構成している細菌の一種である。以前までは,Propionibacterium acnesとして知られていたが,近年再分類された。通常,Propionibacteriaceae科のPropionibacterium属における菌種の決定は,古典的に表現型および分離源に基づいて行われるが,解析されたゲノム配列の違いが認められたことにより,Propionibacterium acnesCutibacterium属へと変更となった2)C. acnesは,ヒトでは全身に常在するが,主として皮脂の富んだ部位である額や頭皮などに比較的多く分布しており,102~106 colony forming unit (CFU)/cm2の菌量が存在しているといわれている3),4)C. acnesと同様に皮膚常在細菌であるStaphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)の両菌が皮膚常在細菌叢の大半を占め,皮膚表層における脂肪酸などの代謝産物による皮膚の湿潤性の維持およびpH調整の役割を担っている5)C. acnesは,皮脂の豊富な環境を好み,皮膚上でも特にエクリン腺付近や前鼻孔部などの粘膜領域に多く認められ,尋常性痤瘡(ニキビ)の発症因子,あるいはその増悪因子として知られている6),7)。ニキビは,90%以上の人が経験する一般的な疾患であり8),脂腺性毛嚢の毛包漏斗部にある上皮の角化異常および皮脂分泌の亢進と,それに伴って起こるC. acnesの増殖や遊離脂肪酸の増加により炎症反応を引き起こす慢性炎症性疾患である9),10)。過剰に増殖したC. acnesは,補体の活性化を引き起こし,さらに好中球や表皮細胞に作用することで,interleukin-8(IL-8)やtumor necrosis factor-α(TNF-α)などの炎症性サイトカインの産生を誘導し,炎症を生じさせる11)。また本菌から産生されたリパーゼの作用によって皮脂トリグリセリドから生成される遊離脂肪酸は,ニキビ病巣部への好中球の遊走を促し,炎症を生じさせる12),13)。顔面への症状が主体であるため,感情面での生活の質(QOL)への影響が大きく14),また炎症軽快後も瘢痕という後遺症を残しうる15)。以上のことから,ニキビは致死的な疾患ではないが,その治療の重要性は非常に大きい。

C. acnesによるニキビは,主に思春期頃の年齢に好発とされ,大学生の頃に治まってくるとされている7)。しかし,C. acnes自体は年齢と共に菌量も減少する,あるいは菌自体が存在しなくなるのかは定かではない。そこで本研究では,健常人におけるニキビ治療の実態把握やC. acnesの年代別保有状況を疫学的に調査,分析を行うことを目的とした。

II  方法

10代19名,20代20名,30代20名,40代20名の合計79名(Figure 1)を対象に,ニキビに関するアンケート(Table 1)と両頬からの検体採取を行った。被験者は,関東圏に居住する10代から40代までの男女を対象とした。アンケートは質問表式調査法とし,検体採取を実施する際に配布,記入,回収を行った。回収率は100%であった。調査期間は2017年12月11日から2018年3月7日までで,アンケートの項目はTable 1の通りである。なお,統計学的処理については,Kruskal-Wallis検定あるいはMann-Whitney検定を行った。検体採取には,GAM寒天培地(日水製薬,東京,日本),アネロパウチ・ケンキ(三菱ガス化学,東京,日本),アネロパック(三菱ガス化学,東京,日本)を用いた。検体の採取は,被験者自身がGAM寒天培地を頬表面に押し付ける,いわゆるスタンプ法で採取を行い,採取後すぐに37℃の嫌気的条件下で2日から5日培養を行った。さらにその後,分離培養を行い,C. acnes疑いのコロニーに対して嫌気性菌であることを確認し,PCRを利用してC. acnesの遺伝子型による同定を行った。なお,本研究における検体の採取は,文京学院大学大学院の倫理審査委員会(審査番号:2017-0020)の承認を得て行った。また検体採取時の条件として,検出率への影響を考慮し,化粧をしていない方に限り採取を行った。

Figure 1 The subject of this study
Table 1  Questionnaire item
I. 現在ニキビ治療をしていますか。
Are you currently treating acne?
II. 過去にニキビを発症したことのある方は, どのような対処をしましたか。
How did you deal with those who have had acne in the past?
III. もらった薬剤名はなんですか。
What is the prescription name of the medicine?
IV. 買った薬剤名はなんですか。
What is the name of the drug you purchased?
V. 現在ニキビを治療している方および過去に発症したことのある方にお伺いします。
発症したのはいつ頃でしょうか。
I will ask those who are currently treating acne and those who have developed in the past.
When was the onset of the disease?
VI. 病院で受診された方および現在までニキビ治療をしたことのある方にお伺いします。
ニキビの治療を開始する(または病院を受診した)時の理由はどのようなことでしょうか。
I will ask those who were consulted at the hospital and those who have treated acne until now.
What is the reason for starting acne treatment (or seeing a hospital)?
VII. ニキビについての情報(病院や治療法など)は,主にどこから得ますか。
Where do you mainly get information about acne (such as hospitals and treatments)?

DNA抽出は100℃10分のボイル法で行い,13,000 rpm 5分で冷却遠心後,上清を回収し鋳型DNAとした。1検体あたり鋳型DNA 1 μL,10 × Thermopol Reaction Buffer(タカラバイオ株式会社,滋賀,日本)2.5 μL,10 mM dNTPs 0.5 μL,各Primer 0.5 μL,Taq DNA Polymerase 0.13 μL,超純水 19.87 μLで調整した混合液を作製し,PCRを行った。プライマー(Table 2)は16S rRNA遺伝子内の菌種特異的な領域を増幅するPAS9およびPAS11を用いた12)。PCRの増幅条件として94℃3分間の変性,続いて94℃15秒間の変性,57℃20秒間のアニーリング,および72℃30秒間の伸長反応を1サイクルとし,25サイクル行った。

Table 2  Primers used for the amplification of 16S rRNA gene of C. acnes
Gene for amplification Primer Primer sequence (50'→30') References
16S rRNA PAS9 (Forword) CCCTGCTTTTGTGGGGTG 12)
PAS11 (Reverse) CGACCCCAAAAGAGGGAC

III  成績・結果

1. 検出率

PCRを利用したC. acnesの遺伝子型による同定結果をFigure 2に示す。C. acnesの検出率は,全体では82.3%,性別では男性78.1%,女性85.1%であった。年代別では,10代78.9%,20代75.0%,30代85.0%,40代90%であり,また性別では,10代の男性50.0%,女性92.3%,20代の男性100.0%,女性61.5%,30代の男性80.0%,女性90.0%,40代の男性77.8%,女性100.0%であった(Table 3)。統計分析では,年代と検出率の間には有意差は認められず(p = .392),さらに性別と検出率の間には有意差は認められなかった(p = .486)。

Figure 2 PCR products of the strains tested for the 16S rRNA of C. acnes

1; 100 bp DNA ladder, 2; Positive control (C. acnes ATCC6919), 3; Negative control, 4~11; C. acnes: the isolates from cheek of healthy people.

Table 3  Detection rate of C. acnes
age 10’S 20’S 30’S 40’S Whole
Whole 78.9 (15/19) 75.0 (15/20) 85.0 (17/20) 90.0 (18/20) 82.3 (65/79)
sex male 50.0 (3/6) 100.0 (7/7) 80.0 (8/10) 77.8 (7/9) 78.1 (25/32)
female 92.3 (12/13) 61.5 (8/13) 90.0 (9/10) 100.0 (11/11) 85.1 (40/47)

unit: % (number of people)

2. アンケート調査結果

・現在ニキビ治療を行っているかどうか

ニキビ治療を現在行っている人はすべて女性で,10代で1名,20代で1名,30代および40代では治療をしている人はいなかった。10代では5.3%,20代では5.0%の割合でニキビ治療を行っている結果となった。

・対処方法・治療

全体では,洗顔をする(50.0%)が最も多く,次に薬局のニキビ薬を買う(18.2%)が多かった一方で,何もしない(16.4%)が病院で受診(12.7%)よりも多かった。またその他(2.7%)が最も少なかったが,そのすべてが「潰す」という対処方法であった(Figure 3)。また年代別の割合は,10代では,病院で受診(11.1%),薬局のニキビ薬を買う(22.2%),洗顔をする(59.3%),何もしない(3.7%),その他(3.7%)であった。20代では,病院で受診(17.2%),薬局のニキビ薬を買う(13.8%),洗顔をする(44.8%),何もしない(20.7%),その他(3.4%)であった。30代では,病院で受診(11.5%),薬局のニキビ薬を買う(19.2%),洗顔をする(46.2%),何もしない(19.2%),その他(3.8%)であった。40代では,病院で受診(10.7%),薬局のニキビ薬を買う(17.9%),洗顔をする(50.0%),何もしない(21.4%)であった(Figure 3)。

Figure 3 Coping and treatment

病院で処方される薬は,不明(35.0%),クリームや軟膏の外用薬(30.0%),次いで内服薬(25.0%),ローション(10.0%)であった(Figure 4)。その使用効果は,治癒または改善した(69.2%)が治癒または改善しなかった(30.8%)よりも多かった(Figure 5)。一方,薬局で購入した薬としては,クリームや軟膏の外用薬(63.6%),不明(27.3%),次いで洗顔薬(4.6%),ローション(4.6%)であった(Figure 6)。その使用効果は,治癒または改善した(76.5%)が治癒または改善しなかった(23.5%)よりも多かった(Figure 5)。また,この回答項目より無回答数が30代で1名(男性)だったことから,ニキビを経験したことのある人の割合は,全体で98.7%であった。年代別では,10代(100.0%),20代(100.0%),30代(95.0%),40代(100%)であり,性別では,男性(96.9%),女性(100.0%)であった。

Figure 4 Prescription (by type)
Figure 5 Use effect
Figure 6 Purchased medicine at pharmacy (by type)

・発症時期(自覚した時)

アンケートの結果から発症時期は,10代32名,20代12名,30代7名,40代0名,無回答28名であった。つまりニキビの発症時期は,10代に最も多く,年齢が上がるにつれ減少傾向が認められた(Figure 7)。

Figure 7 Time of onset (When you realize)

・治療をはじめた理由

治療を始めるに至った理由として全体では,ニキビ痕が残ることが心配になった(30.2%),人からの目が気になった(27.9%)の2回答が多く,半分以上を占めており,次いで痛みやかゆみ等の自覚症状が生じた(14.0%),人から治療することを勧められた(9.3%),その他(4.7%)であった。その一方で,とくにニキビで治療を開始するつもりはない(14.0%)が3番目に多かった(Figure 8)。年代別では,20代,30代,40代で人からの目が気になったが共通して多く,また40代を除きニキビ痕が残ることが心配になったという回答も共通して多かった。一方で,40代では痛みやかゆみ等の自覚症状が生じたが最も多くなっていた(Figure 8)。

Figure 8 Reason for starting treatment

・ニキビについての情報源

ニキビについての情報の入手先として,全体では,とくに関心をもっていない(32.7%)が最も多く,次いでインターネット(21.8%),テレビ番組(16.8%),知人・友人から(14.9%),雑誌記事・広告・ポスターなど(8.9%),その他(5.0%)であった(Figure 9)。年代別では,10代ではインターネットが最も多く,40代ではテレビ番組が比較的多い結果であった。また20代では,テレビ番組やインターネット,知人・友人からほぼ同じ割合で情報を得ている結果であった。その一方で,どの年代においても,とくに関心を持っていないが多くを占めており,特に30代と40代では顕著であった(Figure 9)。

Figure 9 Information sources about acne

IV  考察

今回の調査により,年代別におけるニキビに関する疫学情報とそれに対する意識や対処法などの情報が得られた。

C. acnesの検出率は,20代女性で61.5%であり,他の年代と比べ低値を示した。上述する通り,ニキビの発症は皮脂の分泌過剰が原因であることから,20代女性とその他の年代・性別において皮脂分泌量など肌の状態を調査する必要がある。一方で,年代および性別と検出率との間には有意差はないことがわかり,C. acnesは年代・性別を問わず誰しもが保有する一般的な皮膚常在菌であることが示唆された。またこのことから,ニキビが一般的な疾患であり,さらにその起因菌となるC. acnesをいずれの年代においても高率に保有していたことから,C. acnesの過剰増殖可能となる嫌気的な条件が成立すれば,誰しもニキビを発症する可能性があり,C. acnesは皮膚常在細菌叢としての役割を担う一方で,一転して病原因子になりうることが示唆された。

本調査の結果では,ニキビを現在治療している人の割合は,10代と20代では約5%であり,30代と40代ではほとんど見られず,一般的にニキビの発症時期である比較的若い年齢層では20人に1人が,発症したニキビに対して治療している結果であった。またニキビを経験したことのある人の割合が98.7%であったことから,従来の報告8)と同様にニキビは90%以上の人が経験する一般的な疾患であることが,本調査によっても明らかとなった。

ニキビ発症時における対処法についての質問に対する回答では,洗顔をするという選択肢が全体においても,どの年代においても最も多かった。1999年に行われた本邦における尋常性痤瘡のアンケート調査の結果8)では,薬局でニキビ薬を買う(36.1%)が最も多く,次に肌のお手入れを心がける(35.1%),潰す(26.2%),睡眠をしっかりとるようにする(23.2%),何もしない(22.6%),病院を受診する(11.8%)となっており,以前と比べ現在ではニキビが発症した際には,薬剤に頼るよりもまず手軽に試行可能である洗顔から行われることが示唆された。また,何もしない割合が以前の報告と比べほとんど差異がなく,依然として,ニキビが皮膚疾患ではなく生理的現象として軽視されている実態が示唆され,その認識の甘さが窺われた。一方で,年代別において,10代では他の年代とは異なり,ニキビの発症数の影響を受けているのか,何もしないという割合が小さく,治療薬の購入や病院を受診するなど何らかの策を講じる傾向が認められた。

発症時期(自覚した時)について,10代で最も多く発症しており,思春期頃に多く発症するとされる思春期ニキビを発症していると考えられ,このようなニキビは発症したという自覚があることが結果から示唆された。それに対して,30代でもニキビの発症が散見され,思春期以降のニキビの発症が少数ではあるが認められた。

治療を始めるに至った理由としては,全体としてニキビ痕が残ることが心配になった(30%)と,人からの目が気になった(28%)がほぼ同等を占め,このことから顔面症状が主体であるニキビによる特徴的な外見や,炎症軽快後に瘢痕を残しうる後遺症を気にしていることが示唆された。また年代別では,10代と40代で痛みやかゆみ等の自覚症状が生じたという回答が比較的多く認められ,ニキビは外見という精神的な影響だけではなく,同時に炎症性皮膚炎であるという事実から,身体的苦痛を伴う疾患であることが改めて示唆された。一方で,20代において,とくにニキビで治療を開始するつもりはないという回答が32%あった。この回答は,病院で受診された方および現在までニキビ治療をしたことのある方のみを対象とする質問であるため,とくにニキビで治療を開始するつもりはないという回答は質問に対して矛盾が生じることになり,回答者が質問あるいは選択肢を理解できていなかったことによると考えられる。

ニキビに関する情報源として,インターネット(22%)やテレビ番組(17%),知人・友人から(15%)がほぼ同等を占めていたが,その一方で全体としてニキビに関心を持っていない(32%)が最も多くなっており,ニキビに対する関心の無さが窺われた。このことからも,ニキビという疾患を軽視している傾向にあり,いずれ自然治癒するだろうという油断があると考えられる。また年代別における10代では,思春期に多く発症することからニキビに対する関心が高く,関心を持っていない割合が低かった。それに対して,30代と40代ではとくに関心を持っていない割合が最も多く,思春期ニキビと比べて思春期以降に発症するニキビの発症数が少ないことが要因であると考えられる。

V  結語

「ニキビは青春のシンボル」15)と言われているが,年齢および性別に関係なくC. acnesを高率に保有している現状から,過剰増殖可能な環境になればいつでもニキビを発症しうると考えられる。30代や40代など思春期以降の年代では,ニキビに対する関心の低さが認められたが,誰しもがニキビを発症しうる状態であることを念頭に置く必要がある。

一方でニキビの発症には,性ホルモンが関与しているとされている8),10),16)ことから,ニキビ発症とホルモン分泌量との関係性の調査を今後の検討課題としたい。

COI開示

本論文に関連し,開示すべきCOI 状態にある企業等はありません。

謝辞

本論文を作成するにあたり,終始御指導,御鞭撻を賜りました株式会社ポーラファルマ医薬研究所 久保田信雄先生,伊藤隆男先生に心から感謝致します。

文献
 
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