末梢血スメアでマクロファージおよび血球貪食像を認めた症例を当院で初めて経験した。このような例は極めて稀とされているが,標本の観察方法によって検出頻度が高まることを指摘する報告もある。そこで,これ以降の検体で,血球貪食像が出現する可能性を念頭に置いた注意深い末梢血スメアの観察を続けたところ,5ヶ月間でさらに4症例を検出することができた。血球貪食症候群の診断基準を満たした症例は1症例のみであったが,すべての症例において経過中血球減少を示していた。また全症例で両側性胸水が認められたが,その意義は明らかでない。以上より,末梢血スメアにおけるマクロファージおよび血球貪食像の出現は,それほど稀ではない現象と考えられ,その検出のためには,血球減少や臨床像の特徴から出現が疑われる場合に,末梢血スメアの辺縁部やfeather edge部に注意を払って観察することが重要と考えられた。