医学検査
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第2章 標本の分布
佐藤 正一
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論文ID: 24J1-2

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抄録

正規分布は統計処理をするうえで基本となる重要な確率分布である。この分布は,自然界のさまざまな現象や性質,臨床データなどに対して当てはまる特徴を持った分布である。臨床検査の健常群の中で正規分布を示す項目には,Na,Ca,IP,尿酸,総蛋白,アルブミン,赤血球などがある。一方,正規分布ではない歪んだ分布(非正規分布)を示す検査項目も多数存在する。例えば,クレアチニン,コレステロール,AST,ALTなどは対数正規分布(データの対数をとったときに正規分布となる分布のこと)を示す。統計処理では,パラメトリック法を用いる際に母集団が正規分布していることが前提条件であり,平均や標準偏差はこの前提に基づいて計算することが可能である。対数正規分布のように正規分布ではないデータに対する対応は,データを一旦正規分布になるように変数変換を行い,平均値や標準偏差を求め,分析を行った後に逆変換することによって正規分布として扱うことで可能である。このような処理を行うことで,非正規分布データも適切に分析することが可能となる。ここでは対数変換を含め,t分布,一様分布などについて紹介する。

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