日本看護管理学会誌
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論説
NPOにおける看護サービスの経済的特性
竹谷 英子
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2009 年 13 巻 1 号 p. 100-108

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抄録

経済のグローバル化が進み,少子高齢の人口減少社会にあって,高齢者看護・介護の需要・ニーズに応えるNPO法人が制度化され10年が経過した.

本稿では,NPO本来の姿を問い,NPOにおけるサービスの意味やその経済的特性を吟味し,NPO法人の実態を捉えることにより,NPO活動・サービスの本質に迫った.

NPOにおけるサービスの経済的特性は,政府・企業のそれとは明らかに異なり,NPOでは,個人の自由意思で自発的に参加する組織活動を通して,ミッション(社会的使命)の実現に向け,多様なサービスを柔軟に提供していた.NPOでいう“非営利”とは,収益の非分配を意味する.NPOにおける先駆的な看護サービスは地域密着型の小規模多機能型居宅介護という公的な事業として制度化され,いま,全国に広がりつつある.

ここでは,一人ひとりのQuality of Lifeの実現と人々の健康生活の維持・発展に貢献するNPO看護サービスの看護管理学的意味とその経済的利点について述べ,社会的共通資本の一つとして萌芽したNPO看護サービスの今後を展望した.

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© 2009 一般社団法人 日本看護管理学会
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