日本看護管理学会誌
Online ISSN : 2189-6852
Print ISSN : 1347-0140
ISSN-L : 1347-0140
原著
急性期病院に勤務する中堅看護師の職務満足に関連する要因の分析
撫養 真紀子勝山 貴美子青山 ヒフミ
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 13 巻 1 号 p. 14-23

詳細
抄録

本研究の目的は,急性期病院に勤務する中堅看護師の職務満足に関連する要因を職務満足領域(内在的・外在的),個人属性から明らかにすることである.対象は,急性期病院に勤務する4~10年目の中堅看護師607名である.概念枠組みは,Herzbergの2要因理論を基に,高橋(1999)が分類した職務満足の枠組みを参考に構成した.内在的職務満足領域として仕事そのものと承認,外在的職務満足領域として設置主体,希望の配置,量的労働負荷を独立変数とし,従属変数を職務満足とした.尺度は,JIG(Job in General)原版18項目,承認29項目,NIOSH職業性ストレス調査票 量的労働負荷11項目,Stamps(尾崎らが翻訳)の日本語版職務満足48項目を使用した.主な結果として,職務満足7因子では「看護師間相互の影響」「職業的地位」の得点が高く,「給料」「看護業務」の得点が低かった.職務満足とそれぞれの関連をPearsonの積率相関係数で分析した結果,仕事そのもの(r=0.561),承認(r=0.531),量的労働負荷(r=-0.097)であった.一方,重回帰分析を行った結果,設置主体,希望の配置,個人属性は,職務満足に影響を与えていなかった.職務満足の向上には,仕事自体の内容が充実し,他者特に上司からの承認が重要であることが明らかになった.そして,量的労働負荷を軽減していく必要性が示唆された.

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本看護管理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top