日本看護管理学会誌
Online ISSN : 2189-6852
Print ISSN : 1347-0140
ISSN-L : 1347-0140
資料
看護職者の自己教育力と看護実践の関連
―A県の11病院における質問紙調査から―
工藤 一子
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 13 巻 1 号 p. 76-83

詳細
抄録

本研究は,看護職者が専門職としての継続学習内容の指標を得るために自己教育力と看護実践の関連を明らかにすることを目的とした.A県の200床以上の11病院に勤務する臨床経験3年以上の看護職者550名を対象に,無記名自記式質問紙調査を実施した.質問紙の内容は,梶田・西村による自己教育力40項目,柴田らによる看護ケア過程自己評価73項目6下位尺度を用いた.回収率は95.8%で有効回答率は99.8%であった.その回答を平均値,標準偏差,分散分析・相関分析によって検討した.自己教育力全体と看護実践合計とは有意な正の相関を示した.看護実践下位尺度「患者を楽にする」「患者と向き合う」「患者の持つ力を生かして支える」「目的を意識して働きかける」「患者を取り巻く状況を整える」と自己教育力8項目は有意な相関を示し,特に「考えを深めたりひろげたりするのに話し合いや討議することを大切にしている」「自己評価する時には自分の目標にてらして行っている」「たとえ話などをもちいて人にわかりやすく説明することが苦手である(逆転項目)」「とりくみたいことによってそれにあった学習方法や手続きを調べる」といった“学習の技能と基盤”の項目が多かった.以上から,看護継続学習内容に自己教育力を向上するような教育支援体制が必要と考えられた.

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本看護管理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top