日本看護管理学会誌
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看護管理職のアサーティブネストレーニング前後のバーンアウト得点の比較
鈴木 英子多賀谷 昭松浦 利江子齋藤 深雪丸山 昭子吾妻 知美
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2009 年 13 巻 2 号 p. 50-57

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抄録

本研究の目的は,アサーティブネストレーニングにより看護管理職のバーンアウトが軽減する可能性を検討することであった.

看護管理職を対象とし,アサーティブネストレーニングの直前及び3ヶ月後に質問紙調査を実施した.内容は属性,職場満足,ソーシャルサポート,転職希望,ストレスコーピング,仕事への思い,アサーティブネス(J-RAS),バーンアウト(MBI)である.

介入前後2回とも有効回答が得られた77人(看護師長15人,主任62人)を対象とした.介入前の年齢,J-RAS,MBIの平均はそれぞれ40.9歳,-5.0,10.8であった.介入前後で対応のあるT検定を行ったところ,J-RASは上昇する傾向が認められ,MBIは有意に低下した.層別にみるとJ-RAS得点がもともと低い者,研修後アサーティブネスに心がけた者でJ-RASは有意な上昇あるいは上昇傾向を示し,MBI は有意に低下した.また,職場に不満をもつ者,やりたいケアができていないと感じる者,同僚,上司,その他の相談相手のいない者でJ-RASは有意な上昇あるいは上昇傾向を示し,MBI は有意な低下あるいは低下する傾向が認められた.

アサーティブネストレーニングによりバーンアウトが軽減できる可能性があることが明らかになった.特に研修後アサーティブネスに心がけた者,もともとアサーティブネス得点が低かった者で軽減が明らかで,職場環境にネガティブな印象をもつ者やソーシャルサポートが得られない者にも軽減が認められた.

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© 2009 一般社団法人 日本看護管理学会
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