日本看護管理学会誌
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新卒看護師の職業継続意識に影響を与えた体験
瀬川 雅紀子種田 ゆかり後藤 姉奈高植 幸子清水 房枝
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2009 年 13 巻 2 号 p. 41-49

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抄録

本研究の目的は,新卒看護師の職業継続意識に影響を与えた体験を明らかにし,継続意識の向上を促した周囲のサポートを考察することである.データ収集は入職後7ヵ月目に半構成的面接を行い,面接内容は対象者の許可を得て録音した.その後,録音内容を逐語録にし,職業継続意識に影響を与えた体験や意識の向上を促したサポート内容を中心に整理した.

その結果,新卒看護師の職業継続意識に影響を与えた体験として【現状と未来への不信】【離職と継続の交錯】【現実を見定め成長への力にする】の3つの島が抽出された.継続意識の向上を促した周囲のサポートとしては,新卒看護師が感じている実践能力の不足や精神的な内的要因に関する戸惑いを先輩看護師が受け入れ,それを前進的な力に変えることを促す関わりが有効であることが示唆された.このような関わりから,新卒看護師は自らの辛い体験の中に次に進むための糧を獲得し,そのプロセスや得られた価値に新たに意味を見出していた.

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© 2009 一般社団法人 日本看護管理学会
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