日本看護管理学会誌
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サークルベッドを使用する小児用の転倒・転落リスクアセスメントツール:
C-FRAT第2版および第3版の妥当性の検証
藤田 優一二星 淳吾藤原 千惠子
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2014 年 18 巻 2 号 p. 125-134

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抄録

サークルベッドを使用する小児用の転倒・転落リスクアセスメントツール:C-FRAT第2版および第3版の妥当性を明らかにすることを目的として,10病棟に入院したサークルベッドを使用する小児697名(平均年齢2.4歳)を対象に前向きコホート調査を行った.アセスメント回数は計1,315回であり,調査期間中に報告された転倒(の危険)は25件,転落(の危険)は26件であった.転倒(の危険)の発生を有意に高めた危険因子は「スリッパまたはサンダルを履かせている(p =0.04,OR =4.3)」「お子様が廊下や病室を走っている時に,注意できていないことがある(p =0.02,OR =2.8)」の2項目であり,転落(の危険)の発生を有意に高めた危険因子は,「ベッドから離れる時に,ベッド柵を上げ忘れることがある(p <0.01,OR =9.7)」「身体症状が改善して活気が出てきた(p =0.04,OR =2.0)」の2項目であった.アセスメントツール第2版のAUC(ROC曲線下面積)は0.81であり,カットオフポイントが13点で感度0.78,特異度0.73を示した.第2版の調査結果をもとに危険因子の配点の異なる案1~3のアセスメントツール第3版を作成し,第2版調査時のデータを用いて分析した.その結果,案1~3のAUCは0.83~0.84であり,アセスメントツール第2版および第3版は中程度の予測精度を示した.

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© 2014 一般社団法人 日本看護管理学会
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