日本看護管理学会誌
Online ISSN : 2189-6852
Print ISSN : 1347-0140
18 巻 , 2 号
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論点
原著
  • 内藤 茂幸, 吉田 澄恵, 佐藤 紀子
    原稿種別: 原著
    2014 年 18 巻 2 号 p. 103-113
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究の目的は,小児病棟の中堅看護師が仕事を続けてきた原動力を明らかにすることである.東京近郊の特定機能病院2施設の小児病棟,および小児の専門病院1施設に勤務する中堅看護師で,今後も勤務継続を希望している者7名に対し,半構成面接を実施した.分析には修正版グラウンデット・セオリー・アプローチを用いた.

    その結果,小児病棟の中堅看護師が仕事を続けてきた原動力は34の概念と11のサブカテゴリを経て【病と共にあり未来に向かう子どもという存在】【[子ども][家族][子どもと家族の相互作用]に関わるからこそ得られるやりがい】【創ってきた居場所で現実と可能性を見据えて歩いている実感】という3つのカテゴリとして生成された.各原動力には,『病と共にある』子どもという存在に対する肯定的な感情や成長を実感する喜び,小児看護実践において困難な部分ではあるが,同時に核となる部分へ立ち向かい乗り越えた時にこそ得られるやりがい,そして,小児看護という枠組みにとらわれることなく広い視点を持ち,組織内で自律することによって得られる居場所ということが大きく関連していた.3つの原動力はそれぞれが独立しているのではなく,連続かつ流動性をもって相互に補完し合いながら作用しており,その様子は3つの羽根が回転することで推進力を得るプロペラとして表現できると考えられた.

  • 榊 茜, 深堀 浩樹
    原稿種別: 原著
    2014 年 18 巻 2 号 p. 114-124
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル オープンアクセス

    看護職員確保対策のひとつに潜在看護師の就労促進があるが,復職後の支援に関する報告は少ない.本研究はグラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて潜在看護師の復職後の経験を概念化し,復職後の定着を促進するための支援検討を目的とした.結婚・出産を機に前職を退職し,ブランクを経て病院に復職した女性看護師11名に半構成的面接を行い分析した結果,次のような復職後の過程が明らかになった.復職した看護師は,環境の変化の実感や家庭と仕事の間での葛藤などブランクを経た復職に伴う動揺に直面し,その動揺を軽減し日々の仕事を行うために,個人的な取り組みと周囲を巻き込む努力を含むブランクを補う取り組みを行っていた.この時に取り組みを後押しする心境に至ること,職場からの支援を受けることで取り組みが促進され,状況改善の感触を得ることができていた.その結果,今の自分ができる仕事を割り切ることができるなど復職をした自分になじむことができていた.復職した潜在看護師の定着支援のために受け入れる職場に求められることとして,当人と相談しながら役割を定め段階を踏んで発展させるなど適切な役割期待や,人生経験を重ねた強みを認め本人に伝えることなどが示唆された.また,復職する看護師自身にできる工夫として,環境の変化に圧倒されず前向きに捉える,積極的に周囲を巻き込み疑問を解決する,などが考えられた.

資料
  • 藤田 優一, 二星 淳吾, 藤原 千惠子
    原稿種別: 資料
    2014 年 18 巻 2 号 p. 125-134
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2018/08/10
    ジャーナル オープンアクセス

    サークルベッドを使用する小児用の転倒・転落リスクアセスメントツール:C-FRAT第2版および第3版の妥当性を明らかにすることを目的として,10病棟に入院したサークルベッドを使用する小児697名(平均年齢2.4歳)を対象に前向きコホート調査を行った.アセスメント回数は計1,315回であり,調査期間中に報告された転倒(の危険)は25件,転落(の危険)は26件であった.転倒(の危険)の発生を有意に高めた危険因子は「スリッパまたはサンダルを履かせている(p =0.04,OR =4.3)」「お子様が廊下や病室を走っている時に,注意できていないことがある(p =0.02,OR =2.8)」の2項目であり,転落(の危険)の発生を有意に高めた危険因子は,「ベッドから離れる時に,ベッド柵を上げ忘れることがある(p <0.01,OR =9.7)」「身体症状が改善して活気が出てきた(p =0.04,OR =2.0)」の2項目であった.アセスメントツール第2版のAUC(ROC曲線下面積)は0.81であり,カットオフポイントが13点で感度0.78,特異度0.73を示した.第2版の調査結果をもとに危険因子の配点の異なる案1~3のアセスメントツール第3版を作成し,第2版調査時のデータを用いて分析した.その結果,案1~3のAUCは0.83~0.84であり,アセスメントツール第2版および第3版は中程度の予測精度を示した.

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