【目的】本研究の目的は,「日本の看護師版組織市民行動尺度」の開発に向けて,日本の臨床で働く看護師の「組織市民行動」の因子構造を明らかにすることである.
【方法】次の第1から第4の調査手順で組織市民行動尺度を作成した.第1調査のエピソード抽出では,自由記述による質問紙調査を行い,質問票の原案を作成した.第2調査のプレテストでは内容的妥当性を検討し,第3調査の予備調査にて質問項目の精錬を行った.第4調査の本調査では,質問票の採択項目の最終決定および尺度の因子構造と信頼性の検討を行った.次に上記で得られた結果の考察を通して日本の臨床で働く看護師の組織市民行動の因子構造を明らかにした.
【結果】第1調査では,56名の看護師の回答内容の分析から,97項目からなる質問票を作成した.この質問票に基づき59名と大学院生14名の73名を対象に第2調査を行い,質問項目を76項目に精選した.第3調査では,412名の対象から得られたデータを因子分析(主因子法 プロマックス回転)した結果,尺度は54項目の4下位尺度で構成された.さらに,第4調査として,看護師521名の対象から得られたデータを因子分析した結果,日本の看護師の「組織市民行動」は,3下位尺度の37項目で構成された.
【結論】日本の看護師の「組織市民行動」の因子構造は,「対人配慮行動」「組織改革行動」「相互尊重行動」の3因子の行動から成り立つことが検証された.