日本看護管理学会誌
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報告
看護師の「勤務表文化」の実態
渡邉 奈穂
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 21 巻 1 号 p. 7-16

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抄録

本研究は,当該部署において勤務表作成に関して看護師が共有する価値観,行動様式,取り決めを「勤務表文化」と定義し,看護師の「勤務表文化」の構成因子と属性および勤務表満足度との関連を明らかにすることとした.全国の200床以上の病院において,勤務表作成者以外の常勤看護師1,565名を対象として無記名自記式質問紙調査を実施し,有効回答が得られた917部を分析対象とした(有効回答率58.6%).因子分析の結果「勤務表文化」は,「他の看護師に対する配慮」「個人の権利と生活の尊重」「先輩と後輩の序列の尊重」の3因子によって構成されていた.「勤務表文化」と婚姻状況との関連において,「他の看護師に対する配慮」(t=3.759,p<.001)と「先輩と後輩の序列の尊重」(t=4.661,p<.001)において,既婚者よりも未婚者のほうが有意に高い得点を示した.さらに,未就学の子どものいる看護師は未就学の子どものいない看護師よりも「個人の権利と生活の尊重」(t=2.114,p<.005)と「先輩と後輩の序列の尊重」(t=2.233,p<.005)において有意に高い得点であった.

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© 2017 一般社団法人 日本看護管理学会
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