日本看護管理学会誌
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報告
回復期リハビリテーション看護に従事する看護師のコンピテンシー
松本 志保子片山 はるみ
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 21 巻 1 号 p. 17-29

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抄録

目的:本研究は,回復期リハビリテーション(以下「回リハ」とする)看護に従事する看護師のコンピテンシーを明らかにし,継続教育に活用できるよう難易度による段階を設定することを目的とした.

方法:回リハ病棟での勤務経験が3年以上の看護師16名を対象に行動結果面接を行い,質的記述的に分析した.

結果と考察:分析の結果,190の看護師の行動が得られた.抽象化を経て10のコンピテンシーが明らかとなった.それらは,[障がいの克服へと導くために信頼関係を築く],[退院後の生活を見据えた情報を入院時から得る],[リハビリテーションが効果的に行えるよう心身のコンディションを整える],[生活の再構築に向けて目標を管理する],[自己効力感が高まるような関わりで行動変容を促す],[在宅復帰への準備を整える],[家族を支える],[後輩には信念をもってリハビリテーション看護を手解きする],[患者・家族の利益のために多職種で協働する],[内省を自己成長に繋げる]であった.また,それぞれのコンピテンシーに対して難易度による4段階の行動の指標を設けた.

結論:本研究では回リハ看護に従事する看護師のコンピテンシーとそのレベル毎の難易度を示した.難易度については今後統計学的な検証が必要である.

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© 2017 一般社団法人 日本看護管理学会
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