日本看護管理学会誌
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手術看護における経験年数別の看護実践に関する実態調査
福田 早織檜山 明子村松 真澄樋之津 淳子中村 惠子
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2021 年 25 巻 1 号 p. 108-117

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抄録

目的:手術室看護師の成長と発達の段階に応じた教育と支援の示唆を得るために経験年数別の看護実践を明らかにする.

方法:全国の手術室看護師を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した.調査内容は属性と看護実践39項目で,回答は4段階の順序尺度とした.経験年数は1年以下,2~3年,4~5年,6~7年,8年以上の5群に分類した.分析は項目別平均値と中央値の算出,経験年数と看護実践の関係についてKruskal-Wallis検定を行った.有意水準は5%とした.

結果:回収数560名(回収率58.0%),有効回答数は549名(98.0%)であった.手術看護の経験年数は平均4.9(SD=7.1)年であった.Kruskal-Wallis検定の結果,1年以下と各群間に有意差がみられた(p=0.00~0.03).1年以下は看護実践の平均値(2.0~3.7)が低く,2~3年は多くの項目で平均値(2.3~3.8)が高かった.4~5年と2~3年の間に変化はなかった.6~7年と8年以上の看護実践に違いはなく,患者の安全を重視した実践,チームとの連携を図る実践を行っていた.

結論:2~3年は多くの看護実践の平均値が高くなり,患者に寄り添う実践は8年以上と同等であった.4~5年の看護実践は2~3年と変化がなかった.6年以上はチーム医療の軸となる実践,患者の安全と安楽を確保する実践の特に高かった.

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