日本看護管理学会誌
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日本語版職務特性尺度の開発:看護職における信頼性・妥当性の検証
駒形 万里絵武村 雪絵市川 奈央子竹原 君江國江 慶子
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2021 年 25 巻 1 号 p. 12-19

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抄録

職務特性理論において,スキル多様性,タスク重要性,タスク一貫性,自律性,フィードバックという5つの職務特性は内的モチベーションと関連し,仕事に関するアウトカムに影響を与えるとされる.本研究では,これらの職務特性を測定する尺度を含むJob Diagnostic Survey(Hackman & Oldham, 1975)の修正版尺度(Idaszak & Drasgow,1987)をもとに原作者の許可を得て日本語版職務特性尺度を作成し,看護職における信頼性と妥当性を検証した.2017年6月に急性期病院1施設の看護職308名に無記名自記式質問紙を配布し,回収した297通のうち本尺度に欠損のない240名の回答を分析した.本尺度の下位尺度におけるクロンバックαは全て0.7以上,項目-合計相関は0.46~0.67,再テスト法での級内相関係数は0.62~0.71だった.探索的因子分析では4因子が抽出されたが,確証的因子分析の結果,原版と同じ5因子モデルの方が高い適合度を示した.基準関連妥当性の確認のため,職務満足および心理的エンパワメントと本尺度の各下位尺度の相関分析を行った結果,相関係数はそれぞれ0.23~0.53と0.16~0.73で,想定された概念間の相関を確認した.内的一貫性,再現性,因子妥当性,および基準関連妥当性が確認され,看護職において一定の信頼性・妥当性を有することが示された.

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© 2021 一般社団法人 日本看護管理学会
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