日本看護管理学会誌
Online ISSN : 2189-6852
Print ISSN : 1347-0140
ISSN-L : 1347-0140
原著
潜在看護師の復職及び就業継続における子育てに関するコミュニティの関与
髙 綾子末永 由理宮本 千津子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2021 年 25 巻 1 号 p. 151-160

詳細
抄録

【目的】子育て中の潜在看護師がどのようなコミュニティを持ち,そのコミュニティが復職及び就業継続にどう活かされているか明らかにし,子育て中の潜在看護師の復職支援ならびにその後の就業継続支援の方法について示唆を得る.

【研究方法】1年から6年の離職期間を経て復職し,現在小学6年生までの子どもを育てている看護師で,東京都内の子育て支援を行う200床以上の病院に勤務する14名に半構造化面接を行った.

【結果】子育て中の潜在看護師は,子育て中の看護師,看護師以外の子育てママ,家族や身内から構成されるコミュニティを持っていた.離職中は,復職や働き方等の不安を抱いていたが,復職にはコミュニティの中での励まし合いや仲間の頑張る姿からの刺激が関与しており,子育てしながらの働き方や復職後の生活の変化に対する具体的な情報を得ていた.また,コミュニティがあることで復職後の就業継続の意欲につながっていることが明らかとなった.

【考察】同じ子育て中の母親からの励ましや頑張る姿からの刺激が復職の後押しとなっており,実際に看護師として復職した人から話を聞くことで,復職後の働き方への不安が軽減されたと考える.また,子育てをしながら働ける可能性を知った対象者は,復職後の生活の変化や仕事と育児の両立について具体的な情報を得たことで,復職への一歩を踏み出したのではないかと考える.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本看護管理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top