日本看護管理学会誌
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資料
「中堅看護師のキャリア・プラトー」の概念分析
大賀 知津子吾妻 知美
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2021 年 25 巻 1 号 p. 182-191

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抄録

目的:中堅看護師のキャリア・プラトーの概念分析を行い,定義することを目的とした.

方法:6つのデータベースを検索し,2000年~2020年の間に発表された14文献を対象として,Rodgersの概念分析方法を用いて分析した.

結果:結果として,5つの属性【自己肯定感の低下】【行き詰まり】【心身の不調】【昇進に対する不安】【再燃性】,4つの先行要件【単調な日常】【負担感】【教育を受ける機会の減少】【職位の停滞】,3つの帰結【現状からの脱出】【現状維持】【現実からの逃避】を抽出した.

考察・結論:結果から,中堅看護師のキャリア・プラトーの概念を「中堅看護師において,単調な日常,負担感,教育を受ける機会の減少,職位の停滞を契機に,自己肯定感の低下,行き詰まり,心身の不調,昇進に対する不安をきたしている状態で,再燃は不可測に起こる」と定義した.また,キャリア・プラトーは,看護の追求や新たな挑戦につながる重要な機会となり,キャリア・プラトーをどのように乗り切るかによって,今後の看護師としてのキャリア発達に影響を与えることが明らかになった.本概念分析の結果を踏まえて,中堅看護師のキャリア・プラトーを早期に把握できる尺度の開発,および中堅看護師がキャリア・プラトーから速やかに脱却するための支援および教育システムの構築が今後の課題である.

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© 2021 一般社団法人 日本看護管理学会
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