日本看護管理学会誌
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急性期病院に勤務する病棟看護師の目標管理における目標達成度に関連する要因
土屋 美穂宇城 令
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2022 年 26 巻 1 号 p. 179-188

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抄録

本研究の目的は,急性期病院に勤務している病棟看護師を対象とし,目標管理における目標達成度に関連する要因について明らかにすることである.対象は,A,B,C県の9施設の病棟看護師806名(分析対象者370名)とし,自記式質問紙調査を行った.調査項目は,目的変数に個人および組織の目標を達成する「目標達成度」,説明変数は面接者の職位,面接時間等,目標管理の時期として「目標設定段階」,「目標実行段階」,「目標評価段階」,「目標管理全般」とし,多項ロジスティック回帰分析を行った.その結果,目的変数である「目標達成度」のうち,「個人・組織目標共に達成度が低い群」を基準とした場合,「目標設定段階」及び「目標管理全般」の「セルフコントロール」は「個人・組織目標共に達成度が高い群」と有意な正の関連が認められた.

これらより病棟看護師の目標達成度には,管理者は目標管理の最初の段階である「目標設定段階」で,意図的に,病棟看護師が仕事自体に動機付けられ行動できるよう組織目標と個人目標の関連性について理解を促すことが重要であった.そして病棟看護師自身が優先度をつけた目標を設定し自己評価を行うといったセルフコントロールできるようにする必要性が考えられた.

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© 2022 一般社団法人 日本看護管理学会
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