日本看護管理学会誌
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実践報告
副看護師長同士の語りあいによる人材育成の認知と行動の変化
―アクションリサーチを通して―
和田 由樹
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 26 巻 1 号 p. 189-200

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抄録

目的:本研究は,副看護師長と研究者による「語りあいの会」を開催し,副看護師長の人材育成に関する認知や行動の変化において,「語りあいの会」が副看護師長にとってどのような場であったのかを明らかにすることである.

方法:アクションリサーチ手法を用いた質的記述的研究.アクションは,副看護師長と研究者が語りあいの会を開催することである.副看護師長3名が語りあいの会に参加し,それ以外にインタビューのみに参加した看護師及び副看護部長の8名,計11名が研究参加者であった.語りあいの会は5回開催した.

結果:「語りあいの会」では,事例シートを用いて事例提示,その事例をもとに研究参加者と研究者が自由に対話した.「語りあいの会」に参加した副看護師長は,それぞれに人材育成に関する認知や行動に変化があった.インタビューのみに参加した研究参加者からも副看護師長の人材育成に関する変化を認める語りがあった.

考察:会は自己の理解を語り,他者の理解と対比することによって自分の考え方や立場を振り返る副看護師長同士の「対話」がなされ,それは自己内省の場であった.同職位である副看護師長同士が「語りあいの会」で対話したことによって気づきを得,そこから実践知を獲得し,その結果人材育成に関する認知や行動に変化がおきた可能性が示唆された.

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© 2022 一般社団法人 日本看護管理学会
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