2023 年 27 巻 1 号 p. 150-160
【目的】認定看護師(以下,CN)に対する組織や上司からの支援とワーク・エンゲイジメント(以下,WE)との関連を明らかにすること.
【方法】日本国内の病院に所属する6分野(救急看護,皮膚・排泄ケア,集中ケア,緩和ケア,がん化学療法看護,認知症看護)のCNから層別サンプリングで抽出した1000名を対象とした.調査項目は上司の支援を「看護師の職場サポート尺度」, CN活動の支援を先行研究に基づいて作成した項目,CN活動以外の支援を「新職業性ストレス簡易調査票」から抜粋した項目,WEを「ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度」で測定した.
【結果】1000名に研究依頼書を送付し,宛名不明等を除き971名を調査対象とした.回答は334名で,そのうち323名を分析対象(有効回答率33.3%)とした.対象者の看護師経験21.5±6.4年,CN経験7.6±4.4年,WEの平均得点は3.4±1.1点.WE合計点と組織の支援・上司の支援で階層的重回帰分析をおこない,「自身で認識している活動割合(β=0.236,p<.01)」「認定看護師の活動に対し,看護部と自身の意向を調整するシステムがある(β=0.186,p<.01)」「評価的サポート(β=0.349,p<.01)」で有意な関連を認めた.
【考察】CNのWE上昇には,CN活動の割合が多いと実感できるよう,普段から意向を調整し,CN活動に対し上司の視点で評価をすることが示唆された.