日本看護管理学会誌
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資料
手術看護における経験年数および配属希望と勤務継続に関する実態調査
福田 早織
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2023 年 27 巻 1 号 p. 140-149

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抄録

目的:手術看護の経験年数および手術室配属希望の有無と勤務継続の実態を明らかにする.

方法:全国の手術室看護師を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した.調査内容は属性と勤務継続に関する経験35項目で,回答は4段階の順序尺度とした.経験年数は1年以下,2~3年,4~5年,6~7年,8年以上の5群に分類した.配属希望の有無は希望有りと希望無しの2群に分類した.分析は経験年数と勤務継続の関係をKruskal-Wallis検定,配属希望の有無と勤務継続の関係をMann–Whitney-U検定を行い,有意水準は5%とした.

結果: 回収数560名(回収率58.0%),手術看護の経験年数は平均4.9年(SD=7.1),配属希望有は56.3%,希望無しは42.3%であった.「手術室勤務を辞めたいと思ったことがある」平均2.9(SD=1.1)に経験年数の差はなかった.一方で「手術室勤務を辞めたいと思っている」平均2.1(SD=1.1)は1年以下と2~3年,4~5年の平均値が全体平均より高く,配属希望の有無による差はなかった.

結論:手術室勤務を辞めたい理由は病棟・他部署への異動希望が多かった.6~7年,8年以上の看護師は多くの項目の値が全体平均より低く,自身の存在価値の実感と現状に甘んじた満足感の2側面が勤務継続に繋がっていた.

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© 2023 一般社団法人 日本看護管理学会
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