日本看護管理学会誌
Online ISSN : 2189-6852
Print ISSN : 1347-0140
ISSN-L : 1347-0140
原著
介護老人保健施設における誤薬の内容と誤薬を発生させる特徴的な要因
小山 智史小山 晶子伊東 美緒内田 陽子鈴木 伸明細谷 茂子朴 相俊
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 29 巻 1 号 p. 9-18

詳細
抄録

【目的】国内の介護老人保健施設(以下,老健とする)で発生した誤薬の内容とそれらの発生件数,最頻出語である服薬のプロセスにおける「確認」の仕方に着目し,要因の具体的な内容と背景を明らかにすることである.その結果に基づいて,老健における誤薬防止を検討した.

【方法】老健2施設の誤薬に関する事故報告書156件を分析対象とし,共起ネットワーク作成と,最頻出語「確認」を含む文章の内容分析を行った.

【結果】誤薬の内容は14に分類され,「無投薬」が109件と最も多かった.共起ネットワークでは,「確認」が中心にあり,「無投薬」,「利用者間違い」,「投与時間間違い」が「確認」とつながっていた.「確認」を含む文章を内容分析し,「確認」が不十分だったものが記載されているもの70件と,「確認」に影響を及ぼしたと思われる要因が記載されているもの74件が見出された.「確認」が不十分だったものは【薬剤】22件,【薬包に記載されている投薬情報】21件などに分類された.「確認」に影響を及ぼしたと思われる要因は【確認ルールの遵守不足】21件,【思い込み】13件などであった.

【結論】「確認」と誤薬には関連があり,「確認」が不十分となることで誤薬が発生すると示唆された.「確認」が不十分とならないよう,「確認」する方法やタイミングの見直し,薬包の色などの変更,コンピューターシステムなどの導入を検討する必要がある.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人 日本看護管理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top