2005 年 9 巻 1 号 p. 5-12
本研究は高齢者の身体的抑制という場面を通し,看護系経験年数による看護師のジレンマの差を明らかにした.そして高齢者看護に対するジレンマの解決,軽減へのアプローチを考え,看護系経験年数別におけるアプローチの必要性を検討した.調査方法は質問紙調査法で,対象は関西圏下にある14の一般病棟勤務看護者1,929名であった.有効回答は看護師1,477名とし独自に作成したジレンマ20項目を用いて一元配置分散分析による多重比較を行い,看護経験年数別における差を明らかにした.その結果,看護経験年数が高い群ほどジレンマ得点が有意に高い結果となった.よって,看護臨床現場における研修として,看護経験年数の高い群を対象に高齢者看護に対する看護倫理的判断能力を高める教育の必要性が示唆された.