日本看護学教育学会誌
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原著
Schön理論に依拠した『反省的看護実践』の基礎的理論に関する研究
−第一部 理論展開−
本田 多美枝
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2003 年 13 巻 2 号 p. 1-15

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抄録

 本稿は、Schön理論に依拠した『反省的看護実践』の基礎的理論を提示することを目的とした研究の第一部である。Walker & Avantの理論展開(theory derivation)の方略に基づき、Schön理論の主要な概念、陳述を分析し、看護の文脈における概念、陳述として意味づけし直した。扱ったものは、「実践における反省」、「実践についての反省」、「反省」の機能、「反省的実践」を展開する上で求められることであった。『反省的看護実践』は、看護職者が患者と関わる中で生じてくる問題状況を見極め、その再構成に向けた取り組みであり、その取り組みをさらに吟味する営みであることが示された。次いで、これら概念間の相互関連を分析し、『反省的看護実践』の枠組みとモデル図の提示を試みた。これにより基礎的理論の構造的な理解が増し、多くの看護職者に自らの実践を見つめ直す視点を提示することができるのではないかと考える。

 今後の課題は、試案した基礎的理論を看護の具体的事象においてどのように展開できるのかを検討することであり、本研究の第二部として次稿で論じたい。

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© 2003 一般社団法人 日本看護学教育学会
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