日本看護学教育学会誌
Online ISSN : 2436-6595
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原著
看護学生がグループワークで感じる困難と満足との関係
藤野 ユリ子
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2005 年 15 巻 1 号 p. 1-14

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抄録

 本研究は、看護学生がグループワークで感じる困難を明らかにし、終了後の満足との関係や、教員の関わり・課題・グループ人数の違いとの関係を明らかにすることを目的としたものである。看護系大学2年生452名に研究者が直接自作の質問紙を配布し、238名から有効回答を得た。その結果、グループワークにおいて困難を強く感じる学生ほど終了後の満足が低かったが、この事実から、①自分の意見を発言すること、②メンバーと合意を得ること、③メンバーと協調して進めること、④グループワークの目的把握と進め方に対する困難を軽減することの必要性が示された。また、教員が能動的に関わった場合の方が、メンバー間の相互作用に関する困難は少なく、終了後の満足も有意に高かった。課題では、抽象的なテーマの時にメンバーとの協調性や目的把握に関する困難が高かった。また、グループワークが有効に行われるための1グループあたりの人数は7-8人であることが示された。よって、教員はグループワークにおいて目的を明確に伝え、メンバー間で協力できるように能動的に関わることの必要性が示唆された。

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© 2005 一般社団法人 日本看護学教育学会
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