2005 年 15 巻 1 号 p. 15-24
本研究の目的は、新人看護師の1年目の体験とその意味を明らかにすることである。研究デザインは質的帰納的とし、6人を対象とした半構成的面接ガイドに基づいて実施した。データ分析には継続的比較分析法を用いた。
コアカテゴリーは、『看護師として存在することの意味を見出す』ことであり、新人看護師が、看護専門職を目指す自分と向き合うプロセスであった。それは、〈看護師として存在することの危機)〈周囲からの支援〉(看設師としての仲間入り〉〈看設師としての展望〉という4つの局面から成っていた。
新人看護師は、入職当初、リアリティショックによる自信喪失と自尊心の低下から〈看護師として存在することの危機)を経験していた。その後、経験を重ねて仕事が1人でできるようになることで、〈看護師としての仲間入り〉ができたと感じていた。ここに至るまでには〈周囲から支援〉が鍵となっていた。
最終的に、新人看護師は、専門職としての環境の中で看護師として存在することの意味を見出していた。