2007 年 16 巻 3 号 p. 1-11
本研究の目的は、看護師の言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの関係から、コミュニケーション技術の特徴を患者と看護師の相互作用場面の分析から明らかにすることである。看護師27名による実際の81の臨床場面を撮影した。非言語的コミュニケーション(アイコンタクト、うなずき、微笑、身を乗り出す、感情的タッチ、手段的タッチ)とRoter’s Interaction Analysis System に基づいた言語的コミュニケーション(人間関係形成スキル、協力関係づくりスキル、情報収集スキル、教育カウンセリングスキルの4つの機能的スキルからなる25項目)を観察し、行動コーディングシステムを用いて分析した。その結果、看護師は主に非言語的コミュニケーションのアイコンタクトとうなずき、言語的コミュニケーションの受容・一般的リードと治療に関連した情報提供を用いていた。非言語的コミュニケーションと言語的コミュニケーションとの関連では、うなずき、微笑と人間関係形成スキルに有意な相関があった。アイコンタクトの前後に情報収集スキル、教育カウンセリングスキルが、微笑の前後に人間関係形成スキルが有意に多く出現していた。
以上から、看護師のコミュニケーション技術は、非言語的コミュニケーションと言語的コミュニケーションが相互に補足、促進し合いながら成り立っていた。言語的コミュニケーションだけでなく、非言語的コミュニケーションに着目したコミュニケーション技術の教育方法の必要性が示唆された。