2007 年 16 巻 3 号 p. 37-48
本研究の目的は、日常生活の中の清潔の援助場面で看護師の倫理的配慮としての判断や行為を明確にすることである。研究デザインは質的帰納的デザインであり、A大学病院に勤務する看護師6名と患者12名に対し参加観察法と半構成的面接法を実施し、得られた12場面を分析した結果、161のサブカテゴリー、14のカテゴリー、4つのコアカテゴリーが抽出された。本研究で抽出された4つのコアカテゴリーは【患者を尊重し自立を促す】【患者の安全を確保し円滑に行う】【援助による快感をもたらし不快感や害を除去する】【患者の気持ちを大切にし信頼関係を築く】である。これらは「看護者の倫理綱領」として規定されている看護師の態度領域に該当するものであって、看護師がケア行動の中で倫理綱領を遵守し実行することがより質の高い看護につながると考える。