日本看護学教育学会誌
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研究報告
在宅看護論実習における指導実施度と習得度の検討
清水 裕子
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2007 年 16 巻 3 号 p. 29-36

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抄録

 本研究は、在宅看護論実習における実習指導者の指導実施度と実習生の習得度の実態を調査し、その関連を検討することを目的とする。

 研究方法は、質問紙調査であった。対象は、22名の実習指導者と86名の実習生であった。質問紙は、いずれも5件法で、実習指導者には指導実施度評価用質問紙、実習生には習得度評価用質問紙を実施した。質問項目は訪問看護ステーション16項目、デイ・ケア・サービス7項目、在宅介護支援センター6項目であった。分析方法は、記述統計、相関係数、t検定であった。

 その結果、指導実施度は平均得点が3.82(±.95)で、概ね「時々指導した」以上の頻度で指導がなされていた。デイ・ケア・サービスでは、調査施設間で平均得点に有意な差があった。実習指導者の指導には、実習場所毎の特徴や指導者自身の個別的特徴の影響があると考えられる。習得度は平均得点が3.33(±.72)であり、全体的に「普通」の回答に偏っていた。実習生の実習での習得は、講義や前後の実習場所での知識の関連づけや循環的な活用によって深まっていると考えられる。また3種類の実習場所の指導実施度と習得度は、いずれも関連がなかった。実習指導者の指導の頻度は、実習生の習得の程度に影響しなかった。

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© 2007 一般社団法人 日本看護学教育学会
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