本研究の目的は、老年看護学実習時の「高齢者の自発性を高めるアプローチ」における学生の認識と学びを明らかにすることにある。大学3年次の看護学生を対象とし、実習時における学生の記録を分析した結果、学生の認識と学びとして、4つのカテゴリーおよび11のサブカテゴリーが抽出された。学生はアプローチを通して、何らかのひっかかりをもったり、立ち止まりを行なうことで、患者の意思の所在への問いをもったり、本質的な問いを生じさせている。また学生は患者の関心のありかをみつけたり、学生自身が前向きな姿勢をとることで、アプローチの手がかりをつかみ、アプローチという直接的な体験は、患者の全体像に迫る突破口を見出すことを可能としている。その結果から、老年看護学実習における「高齢者の自発性を高めるアプローチ」は、患者理解を深める手段として有意義なものであると考えることができる。