2011 年 21 巻 2 号 p. 25-34
〔目的〕本研究は、対人援助職をめざす医療系学生を対象に、近年急速に普及している電子メディア、特に携帯電話メールへの依存状態と対面でのコミュニケーション能力との関連をクラスタ分析、分散分析により明らかにすることである。
〔方法〕医療系学生879名を対象に、携帯メール依存尺度、九州大学コミュニケーションスケール、社会的スキル尺度からなる質問紙を用いて実施した。
〔結果・考察〕携帯メール依存尺度の下位因子得点によって携帯メール依存の状態を「低依存群」、「情動的・利用過多依存群」、「情動的依存群」の3クラスタに分類した。コミュニケーション能力との関連は、「低依存群」は対面コミュニケーション能力が最も高く、「情動的依存群」では、対面コミュニケーションでの過敏性が高く、自己開示することに抵抗がある、集団に馴染めない、などの傾向が見出された。しかし、過剰に利用するという外向的な要素が加わる「情動的・利用過多依存群」では、その傾向が弱くなることが明らかとなった。これらの傾向は電子メディアを媒介としたコミュニケーション(Computer Mediated Communication:CMC)の特徴と親和性を示しており、今後コミュニケーション教育を考える上での方向性が示唆された。