2014 年 24 巻 1 号 p. 55-65
〔目的〕本研究は社会人学生が増加傾向にある看護専門学校(3年課程)の専任教員を対象に、専任教員による社会人学生の学習姿勢の評価と教育活動の実態を明らかにすることを目的とする。
〔方法〕対象は研究承諾の得られた看護専門学校(3年課程)に勤務する51校の看護教員である。51校に勤務する教育経験1年以上の専任教員150名に社会人学生の学習への取り組み姿勢の評価と教育活動の実態調査を依頼し、自記式質問紙調査票を用いて郵送法で調査した。
〔結果〕社会人学生の学習への取り組み姿勢の評価では、因子分析の結果、社会人として期待される能力である「コミュニケーションスキル」、「主体的に学ぶ力」、「チームをけん引する力」、「状況変化への適応力」の4因子が抽出された。社会人学生に対する教育活動の工夫では、臨床実習での「悩みへの相談」や「振り返りの指導」など自己省察を支える指導や、社会人学生の抱える問題への個人相談などの対応もしていた。
〔考察〕社会人学生が培ってきた社会的スキルを生かしながら自己省察の個別指導を重要視しており、これらの関わりが学習継続や支援の鍵となることが示唆された。