日本看護学教育学会誌
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原著
看護学士課程教育における臨地実習指導での大学教員と実習指導者との協働に関する研究
高畑 和恵佐々木 吉子井上 智子
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2015 年 25 巻 2 号 p. 1-14

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抄録

〔目的〕看護学士課程教育の臨地実習指導における大学教員と実習指導者との協働の実態を明らかにし効果的な協働のあり方を検討する。

〔方法〕教員と指導者を対象とし半構造的面接を行った。両者の協働について語られた箇所を抽出してM-GTAの手法に基づき分析した。

〔結果〕教員については、【学生への指導効果を向上させるための下準備】、【関係性の構築を図る】、【指導者への期待】、【指導者や上司・同僚をリソースとして活用する】、【指導者の状況を読み解き行動する】、【教員や学生と指導者間の潤滑油となる】の6個のカテゴリー、指導者については、【実習環境の土台を固める】、【コミュニケーションを継続する】、【教員に期待しつつも口にできない願い】、【教員、上司・同僚に支えられる】、【大学側に同調する】の5個のカテゴリーが生成された。教員、指導者のカテゴリーは、いずれも同じ方向を目指しながら相互に影響し合い協働関係を築いていた。

〔考察〕両者が指導を開始する前からそれぞれが効果的な指導に向けた準備をして臨んでいることが明らかとなった。課題として、両者が抱く期待を発信できていないことや指導者評価のあり方について検討していく必要がある。

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© 2015 一般社団法人 日本看護学教育学会
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