日本看護学教育学会誌
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研究報告
大学病院に勤務する臨地実習指導者の役割葛藤・役割曖昧さの現状と属性・実習指導体制との関連
林 久美子髙橋 由起子
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2018 年 27 巻 3 号 p. 1-12

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抄録

〔目的〕大学病院に勤務する臨地実習指導者の役割葛藤・役割曖昧さを明らかにし、役割葛藤・役割曖昧さと実習指導者の属性・実習指導体制との関連を明らかにする。

〔方法〕調査は郵送法による無記名自己記入式質問紙調査で実施した。役割葛藤・役割曖昧さは日本語版NIOSH職業性ストレス調査票で測定した。

〔結果と考察〕臨地実習指導者は、年齢が高く、臨床・指導経験年数が長い者は有意に役割曖昧さ得点が低かった。臨地実習指導者は臨床経験や指導経験を積む中で、通常の看護業務のみならず実習指導の情報を得ることができていると考える。また、職位が主任の指導者は、スタッフナースの者に比べて有意に役割葛藤得点が高く、臨地実習指導者と主任の役割を多重に担っていることが要因として推測された。臨地実習指導者や看護教員と十分に連携ができていると回答した者は、役割葛藤・役割曖昧さ得点が有意に低かった。十分に連携をとれている者は、実習指導上の情報交換や、通常の看護業務や実習指導の役割分担が可能であると考える。

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